子どもと親権
目次
子どもの親権について
未成年の子どもがいる場合、親権者を決める必要があります。
これまでは、父母のどちらか一方を親権者とする「単独親権」しか認められていませんでしたが、民法改正(2026年4月施行)により、父母双方を親権者とする「共同親権」も選べるようになりました。
父母の話し合いで決まらない場合は、家庭裁判所が、子どもの利益を基準にどちらの形にするかを判断することになります。
離婚届についても、これまでは、未成年の子どもがいる場合、離婚届に親権者を記載しなければ受理されませんでした。
民法改正により、親権者をどちらにするかについて家庭裁判所に「親権者の指定を求める家事審判」または「家事調停」の申立てがされていれば、親権者が未定のままでも協議離婚の届出が受理される仕組みが設けられました(民法765条)。
「親権」「監護権」とは
親権とは、未成年の子どもの財産を管理したり、身上監護(=教育・養育)をしたりする権利(というよりむしろ義務)のことです。
監護権というのは、身上監護をする権利(義務)のことで、内容的には親権の一部ですが、親権者と監護権者とが別になることもあります。
婚姻している間は夫婦が共同で親権を持っています。
民法改正により、離婚の際には、父母のどちらか一方だけが親権を持つ「単独親権」のほか、父母双方が親権を持つ「共同親権」を選ぶこともできるようになりました(なお、DV・虐待などがあり、裁判所が共同親権は子どもの利益に反すると判断するときは、単独親権とされます)。
離婚と親権者の決定について
親権者を決めて協議離婚する場合は、その者を親権者として離婚届に記載することになります。
上述のとおり、民法改正によって、親権者をどちらにするか協議がまとまらない場合であっても離婚届が受理される道も拓かれました(民法765条)。
離婚後に親権者を変更したい場合、どうしたらよいのでしょうか?
仮に父母が同意していたとしても、いったん決まった親権者を変更するには、調停・審判が必要です
家庭裁判所が、子どもの利益が害されないかどうかをチェックするためです。
2026年4月施行の民法改正により、単独親権から共同親権へ変更する場合など、親権者変更のパターンは増えましたが、「子どもの利益」を基準に家庭裁判所が判断するという枠組み自体は従来と変わりません。
親権者はどのような基準で決められるのでしょうか?
夫婦の双方が親権者になることを希望している場合など、協議で親権者を決めることができない場合は、家庭裁判所調査官が、どちらを親権者とするのが子の利益に最もふさわしいのかを調査して、その結果を調査報告書という形にまとめます。
裁判所は、これを参考に、親権者を決めることになります。
裁判所の判断基準としては、もっぱら、子どもの利益のためにはどちらがふさわしいかという点に着目して判断がなされます。
大まかには、父母それぞれが離婚前にどのように子どもを監護していたか、どのように子どもと関わっていたか、離婚後の監護体制は整っているのか、といった点が考慮されます。
例えば不貞行為をした側であったとしても、必ずしもそのこと自体が直接にマイナス要素となるわけではありません。
ただし、不貞行為にのめり込むあまり、育児をおろそかにしたというような事実がある場合には、親権者としての適格性が問題とされる可能性もあります。
上記事情の他、子供の環境はなるべく変えないほうがいいという観点(監護の継続性)、兄弟はなるべく一緒に育てるほうがいいという観点(きょうだいの不分離)、面会交流への寛容性、子どもの奪取の違法性(子どもを違法な方法で相手から奪った場合は、その点についてマイナスと評価されることがあります)なども考慮されます。
子どもの意思の尊重について
一般的には、子どもが満15歳以上の場合は、その意思が最大限尊重されることが多いと思われます。
他方、年齢が下がれば下がるほど他者からの影響を受けやすいため、意思をそのまま尊重して良いとは言いきれなくなります。
この場合、家庭裁判所調査官の調査が重要となってきます。
親権者をどちらにするかは、子どもの利益という観点から判断されます。
親権者になるためには、子どもの養育環境を整え、自分が親権者となることが子どもの利益に叶うのだということを、説得的に主張していく必要があります。
(2026年4月施行の民法改正に対応済み ※執筆時点)


