復縁、夫婦仲直り希望…いつまで通じる? |墨田区・台東区・江東区・江戸川区の離婚・男女問題弁護士

復縁、夫婦仲直り希望…いつまで通じる?

はじめに

相手方配偶者から離婚を切り出された方からのご相談は数多いですが、「条件次第では離婚に応じてもいい」という方のほうが多いです。しかし中には、例えば「不倫相手と別れて何とか家に戻ってきてほしい」というような方がいらっしゃいます。

縁あってせっかく一緒になった配偶者と復縁(※)したいという気持ちはもっともです。しかし残念ながら、相手方配偶者の離婚意思がかなり固く、客観的にみて復縁可能性がほとんどないと考えられるケースも、しばしばお見受けします。離婚問題が勃発した初期ならともかく、ある程度の段階を過ぎてしまうと、復縁したい、夫婦としてやり直したいと言っても相当難しくなってきます。

(※)このコラムでは、仲直りして正常な夫婦としてやっていくことを「復縁」と表現しています(法律上の正式な言葉ではありません)。

復縁≠離婚拒否

「離婚したくない」という人の多くは、①仲直りして元の関係に戻りたい(=復縁希望)、だから②離婚届にはサインしたくない(=離婚手続きの拒否)という両方の気持ちがあるでしょう。しかし、この①②は全く性質の異なる問題です。たとえば「別居20年だが籍は抜きたくない。婚姻費用だけもらっていれば十分だから…」という人の場合、①の気持ちはないけれど②の気持ちはある、ということになります。この「復縁≠離婚拒否」という点は極めて重要ですので、しっかり押さえておく必要があります。

復縁したいという気持ち。いつまで通じるの?

誠意を持って復縁をお願いしましょう。

復縁したいなら、協議段階で誠意を見せることに尽きます。離婚を切り出されたらできるだけ早い段階で、相手方配偶者が何を不満に思っているのか、どうすれば解消されるのか、そのためにはあなたはどうすればいいか、といった点について解答を提示する必要があります。復縁はあくまで夫婦当事者間の気持ちの問題です。相手方に離婚を翻意してもらえるよう、あなたが全人格をかけて相手方配偶者を振り向かせるしかありません(言うまでもなく、復縁は弁護士がどうこうできる問題ではありません)。

もっとも、そう言うのは簡単ですが、実際にやろうとすると難しいものです。特に相手方配偶者が女性の場合、一度離婚を決意したら翻意することは少ないように見受けられます(もちろん、皆がそうというわけではありませんが)。

離婚調停を申し立てられたら、かなり難しくなります。

一般論としては、復縁については諦めた方が・・

あくまで一般論ですが、相手方配偶者が離婚調停を申し立ててきた場合、残念ですが復縁の可能性は極めて低いと考えたほうがいいです。もちろん、調停委員が「もう一度やり直してみましょうよ」などと相手方配偶者を説得してくれる可能性はあります。しかし現実問題として、その説得を受けて相手方配偶者が「仲直りしてやり直そう」と思うのか?というと、正直なところ期待薄です。あるいはあなたが弁護士をつけて調停に臨み復縁を申し入れたとして、それが相手方配偶者の心に響いて「じゃあ復縁しましょう」となるか?というと、まずなりません。相手方配偶者からすれば、「(復縁は夫婦間の心の問題なのに)なんでわざわざ弁護士をつけてくるのか」と不審に思うだけです(後述のとおり、復縁だけではなく、場合によっては有利に離婚したいと考えているのなら、弁護士をつけて調停に臨む意義は十分にあります)。

冷たいことを言うようですが、調停を申し立ててきた時点で、相手方配偶者の離婚意思はかなり固まっていると考えられますので、あなたとやり直すつもりはもう無いのだと認識すべきです。

「離婚手続きを拒否して有利に離婚」はアリです。

もっとも、復縁は無理でも、「離婚手続きを拒否してあなたにとって有利な条件で離婚する」という方向の解決はありえます。たとえば、相手方配偶者が不貞相手と同棲している、あなた側に離婚原因がない、あなたが婚姻費用を請求できる立場にいる、などといった状況にあるとします。そうなるとたとえ復縁は無理でも、離婚手続きを拒否することによって話し合いを有利に進めることができる可能性があります。話し合ううちに、相手方配偶者が「●●の条件を呑むから、今すぐ離婚してほしい・・」などと言い出す可能性が出てくるのです。そのあたりの駆け引きには、離婚問題を多数扱っている弁護士が長けています。

別居を挟むと、復縁は難しくなります。

別居がまだごく短期間なら、頭を冷やした相手方配偶者と落ち着いて話ができるかもしれません。しかし別居状態が続くと、復縁はかなり難しくなります。

当たり前ですが別居すると生活を共にしなくなるので、あなたがいない生活に相手方配偶者が慣れてしまいます。そこからあえて二人の生活に戻るなどというのは、離婚を決意した相手方配偶者からしてみれば、まず考えられない(ありえない)ことです。

さらに別の問題として、収入があなた>相手方配偶者だとすると婚姻費用を請求される可能性がありますので、逆にあなたの側が早期に離婚したくなるかもしれません。

相手方配偶者が婚姻関係と背反する行動をしているときも、復縁は難しいです。

典型的には、相手方配偶者があなたの元を去って別の異性と同棲している、という場合です。あなたとしては、たとえば「小さい子どもがいるからせめて成人までは復縁してほしい」と希望しているのかもしれません。しかし傍から見ていれば、「別居はおろか他の異性と同棲までされてしまったこの状況では、復縁可能性は極めて小さいだろう」と判断せざるを得ません。子どもの将来が心配なのであれば、離婚時の財産分与や養育費等をなるべく有利な条件できちんと決めておくほうが建設的です。このような場合には復縁にこだわるのではなく、弁護士をつけたうえで、①相手方配偶者との関係では出来るだけ有利に離婚できるように努め、②同棲相手との関係では不倫慰謝料請求を検討する、という方向を検討すべきではないでしょうか。中途半端な家族を無理やり維持することが本当に子どものためになるのかどうか、落ち着いて考えてみるべきでしょう。

まとめ

復縁したいなら、夫婦間協議の段階で言葉だけではなく態度で示すことです。あなたの全人格をかけて誠意を尽くすしかありません。

相手方配偶者が離婚調停を申し立ててきたとか別居が長期間続いているという場合は、復縁は難しくなります。これらの行動に出てくるのはよほどのことですので、相手方配偶者の離婚意思(=復縁を拒否し、かつ離婚手続きを進めたい意思)は相当固いものと覚悟する必要があります。この状況で復縁に持っていくというのは、現実問題として並大抵のことではありません。

また、あなたとの婚姻関係があることと背反する行動を相手方配偶者が取っているときも、復縁は難しいです。

もっとも、復縁と離婚手続き拒否とは、全く違う事柄です。「復縁が難しい」ことと、「相手方の離婚の求めに応じるべきだ」ということも、全く別なのです。復縁は難しくても、最終的にできるだけ有利に離婚することで、新しい未来への道を開くことも可能です。そのためのお手伝いをするのが弁護士です。仮にあなたが「自分はどうしても復縁しか考えていない。そのためにはどうしたらいいか?」とお悩みなのであれば、その場合は弁護士ではなく、人生の先達などに教えを乞うべきでしょう。

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