不倫慰謝料とは
目次
はじめに
慰謝料というのは、精神的な損害が生じたときに、その精神的苦痛を慰謝する(=慰める)ためのお金という意味です。
慰謝料は、たとえば次のような場合に発生します。
相手方の過失による交通事故で、後遺障害を負った
相手方の故意の言いふらしにより、名誉が毀損された
相手方の一方的落ち度で、離婚せざるをえなくなった
・・など
不倫慰謝料って何?
「不倫慰謝料」という法律上の用語があるわけではありません。
「AとBが夫婦であることを知った上で、CがBと肉体関係を持った。このとき、AがCに対して請求できる慰謝料」
そのことを指して、不倫慰謝料と表現することが多いです。
なお後述のとおり、AはBに対しても慰謝料を請求できます。これも含めて不倫慰謝料と表現することもあります。
慰謝料についての法律の規定はどうなっているの?
不貞行為は、民法上の不法行為にあたります。
Bが配偶者(A)以外の異性(C)と肉体関係を持つことを不貞行為といいます。
BとCのした不貞行為は、Aに対する関係で、民法上の不法行為にあたります。
不法行為って?
「故意又は過失によって他人の権利又は法律上保護される利益を侵害した者は,これによって生じた損害を賠償する責任を負う。」
という規定が民法にあります。これを不法行為と呼んでいます(民法709条)。
不貞行為は、配偶者としてのAの地位を侵害するものです。
つまりBは「配偶者である私以外の異性と肉体関係を持ってはならない」というAの正当な利益を害しているわけです。
そのため、不貞行為により生じたAの精神的苦痛という損害を賠償する義務を、BとCが負うことになります。
言い換えれば、Aの精神的苦痛を慰めるべきお金(=不倫慰謝料)を支払うべき義務が、BとCに発生します。
共同不法行為とは?
数人が共同の不法行為によって他人に損害を加えたときのことを、共同不法行為といいます(民法719条)。
不貞行為はBとCが共同で行っていますので、共同不法行為にあたります。
共同不法行為にあたると、各自が連帯して損害賠償責任を負うことになります。
したがってBとCは、Aに対して、連帯して不倫慰謝料を支払う必要があります。
もっとも、Cだけに不倫慰謝料を請求することも可能です。
不倫慰謝料の連帯って?
Aは、BCそれぞれに対して、慰謝料満額を請求できます。
たとえば慰謝料額100万円の連帯だとしたら、Bに100万円を請求し、かつCに100万円を請求することも可能です。
わざわざ50万円ずつに分けて請求する必要はありません。
ただし、受け取れる総額は100万円が限度になります。
まとめ
不法行為に該当すると損害賠償請求権が発生します。
不貞行為は不法行為に該当しますので、不貞行為で受けた精神的苦痛を慰めるための慰謝料を請求する権利が発生します。
(下記ページにて請求するための条件や手続きについて説明しています)
当事務所では不倫慰謝料問題を多数手がけてきております。
不貞相手に請求をする前の段階で、あるいは相手方から請求を受けた段階で、今後どう対応すべきかご相談いただくことをお勧めします。