このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
慰謝料コラム
目次
不倫慰謝料事件が解決するまでには、どれくらいの時間がかかるのでしょうか。
不倫慰謝料を請求するにせよされているにせよ、どうしても気になるところでしょう。
不倫慰謝料の標準的なケースではどれくらい時間が掛かるのか、以下で見ていきましょう。
実際には、相手方のキャラクターや対応に左右される部分も大きいです。
予想よりも時間が掛かってしまったり、話が全く進まず膠着状態となったりすることもあります。
逆に、早く終わることもあります。
不倫慰謝料の請求が開始されてから解決するまでの時間はどれくらいでしょうか。
これまでの経験からあえて言えば、だいたい3ヶ月~6ヶ月くらいが多いように思われます。
もちろん実際には、いろいろなケースがあります。
1ヶ月未満で終わることもあります。また、1年以上掛かってようやくということもあります。
不倫慰謝料事件が訴訟で争われる場合があります。
裁判は月1回のペースで行われますので、決着までに時間がかかってしまう傾向にあります。
もっとも、相手方の態度によっては、任意交渉ではなく訴訟で解決するほうが結局早く終わることもあり得ます。
というのは、訴訟では裁判官が間に入ってくれるので、相応の内容で和解が成立する可能性が高くなるからです。
ただ、判決方向となるとかなり長くなるかもしれません。
判決が出るまでに1年くらいかかることがあります。
判決に不服のある側が控訴すると、高等裁判所にステージを移して、裁判が続いてしまいます。
不倫慰謝料を請求する側は、いろいろ準備が必要です。
不貞の証拠を集めたり、不倫相手(請求相手)を特定したり、です。
探偵をつけて調査するにしても、一回の調査で不貞の証拠を押さえることができるかどうかわかりません。
それなりの時間と費用が掛かるかもしれません。
不倫慰謝料を請求されている側は、実際に請求されてからがスタートです。
慰謝料を払えば、不倫慰謝料事件は解決・終了となります。
しかしその後に、交際相手(=相手方の配偶者)に対する求償請求をすることがあります。
求償請求というのは、相手方に支払った慰謝料の一部を負担してほしい、という請求のことです。
交際相手がそれに協力的で負担に応じる意思を示すならともかく、そうでなければ、回収まで時間がかかってしまうかもしれません。
上記のとおり、不倫慰謝料事件はだいたい3~6か月くらいで終わることが多いです。
もっとも、「話し合いも何も進まず明確な解決がないままになっている」という状況になることもあります。
相手方とのやり取りが途絶え、訴訟を提起されるわけでもなく、長時間そのままになっている宙ぶらりんの状態のことです。
「不倫慰謝料を請求する側が弁護士をつけておらず、かつ請求されている側が弁護士をつけて対応した」
そのようなケースでは、このような宙ぶらりん状態になることがあります。
慰謝料を請求する側でも弁護士をつけてくれれば、解決に向けて進むでしょう。
しかし、費用対効果などの観点から、弁護士をつけないこともしばしば見受けられます。
請求側としては、攻めあぐねます。
請求された側としては、要求は呑めません。
その結果、完全に膠着状態に陥ってしまいます。
次のような対処が考えられます。
①弁護士をつけて交渉を進める→まとまらないなら訴訟を提起する
②調停を申立ててみる
調停の場合、調停委員が関与してきます。
その説得に相手方が応じてくる可能性も、なくはないかもしれません。
とはいえ相手方が調停に出てくるかどうかがそもそも不確実です。
もし出てきたとしても、最終的に双方が納得しないと合意できません。
その点では、任意交渉と変わらないのです。
「任意交渉ではまとまらなかったが調停ならまとまるかも」と期待しても、実現可能性は低いようには思われます。
むしろ、弁護士を付けて交渉を進めるほうが妥当でしょう。
そのまま時が経過すると、いずれは時効期間が満了して、不倫慰謝料が請求できなくなってしまうからです。
次のような対処が考えられます。
①状況を打開すべく譲歩案を提示する
②請求する側の次のアクション(弁護士をつけてくる、調停を申立ててくるなど)を待つ
③それでも進まないなら時効期間が満了するまで待つ
途中で「このままではじれったい、何とかならないか」と思うかもしれません。
しかし、請求する側に対して、示談を強要することはできません。
その結果時間が掛かっても、やむを得ません。
(備考)極論すれば、どうしても今すぐ解決したいのなら、請求する側の要求を丸呑みすれば解決はします。そうしない以上、時間が掛かるのは仕方がありません。
不倫慰謝料の請求が開始されてから終わるまで(解決するまで)の時間としては、おおむね3~6ヶ月くらいのことが多いように思われます。
もっと早く終わったり、1年以上掛かったりすることはあります。
相手方のキャラクターや対応に左右されますので、ケースバイケースとなります。
不倫慰謝料を請求する側としては、請求を開始する前に準備期間も必要です。
不貞の証拠を集めておいたり、不倫相手(請求相手)を特定したりすることが必要だからです。
不倫慰謝料を請求されている側としては、そのような準備期間は必要ありません。
しかし、相手方からの請求が途絶えて膠着状態となったり、未解決状態(宙ぶらりんの状態)が続いてしまう可能性はありえます。
その事件が解決した後の話になりますが、慰謝料を支払った後で交際相手に対して求償請求することも考えられます。
その場合、交際相手の態度によっては、回収するまでに時間が掛かる可能性もあります。
請求する側・された側どちらにせよ、話し合いの隔たりが大きく、裁判となって判決方向へと向かうと、かなり長期間が掛かってしまうかもしれません。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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