このコラムの監修者
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秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
慰謝料コラム
目次
Aさんと交際相手はどちらも既婚者で、男女の関係を続けていました。
不倫が交際相手の配偶者(=相手方)にバレてしまい、慰謝料を請求されてしまいました。
Aさんは「不倫慰謝料は請求されても仕方ないし払うつもりがある。でも、自分が不倫していたことを自分の妻(夫)には知られたくない」と思っています。
いわゆるW不倫ということになりますが、このAさんのように、不倫が自分の配偶者にバレるのだけは避けたいというご相談もしばしば頂きます。
W不倫が自分の妻・夫にバレることなく、相手方からの不倫慰謝料請求を解決することはできるのでしょうか?
相手方から慰謝料請求を受けたことがきっかけで、W不倫が自分の配偶者にバレてしまうことはありえます。
そもそも、どういうきっかけでバレてしまうのでしょうか?
たとえば、こうしたタイミングが考えられます。
不倫慰謝料を請求するために、相手方がこちらに何らかの方法で連絡・接触をしてきます。
その際に、内容を妻・夫に見られて、不倫が明るみになってしまうことが多いのです。
不倫がバレる可能性を低めるための対処法として、不倫問題の連絡窓口を別に設けることが考えられます。
訴えられる前に不倫慰謝料問題を解決することも重要になってきます。
極端な話ですが、電話で相手方から「慰謝料1000万円を払えばそれで終わりにしてやる」と言われたとします。
そして、示談書も作らず1000万円を払ったとします。
相手方は本当にそれ以上の要求をしてこず、家族にも不倫をバラされることはなく一件落着するかもしれません。
しかし、さらに追加で金銭を請求されたり、断るならバラすと脅迫されたりするかもしれません。
この点、不倫慰謝料を要求する電話を掛けてきたのが相手方の弁護士で、弁護士との間で示談する場合ならばまだましかもしれません。
相手方弁護士との間で示談書を取り交わすはずなので、解決済みの問題で追加請求されることはないはずだからです。
(備考)もっとも、相手方弁護士からの要求額は、相場よりもかなり高額になっているでしょう。
相手方の要求通りに払えばW不倫がバレずに済むとか、完全に解決できるという保証はどこにもありません。
ましてや妥当な内容で解決してくれるという期待はすべきではありません。
バレるリスクが高まらないようにしつつ、あなたにとってもできるだけ納得のいく内容で解決できること。
重要なのはそのことです。
「相手方から突然通知書(内容証明)が送られてきた。内容まではまだバレていないが、不審がられてしまった」
このようなご相談も多いです。
あなたが弁護士に依頼すると、その弁護士が示談交渉の窓口となり、相手方からの連絡も弁護士の方に届くことになります。
そのため、相手方と交渉する際の書面などを配偶者に見られてしまうリスクを低めることが可能です。
示談交渉がまとまらないと、相手方があなたを訴えてくる可能性があります。
弁護士に依頼していても、裁判所からの訴状は、原則としてあなたの自宅に届いてしまうことになります。
訴状を弁護士のほうに届けてほしいと相手方に打診して、相手方が合意してくれれば別です。
もっとも、相手方にとって、そのような合意をするメリットは特にはありません。
そのような打診をしても、相手方に「自宅に送られて配偶者にバレたくないのだろう」と勘繰られてしまうだけの可能性があります。
このように、訴状は弁護士のところではなく、あなたの手元に届きます。
訴状には「不倫によって精神的苦痛を受けた、慰謝料500万円を払え」などと記載されています。
そのため、訴状を配偶者に見られると、W不倫のことが当然バレてしまいます。
(備考2)不倫の事実がどこまで詳細に載っているのかというのは、相手方(原告)次第で違ってきます。「不貞をした」くらいしか記載されておらず、証拠もついていないこともあります。他方で、ラブホテルに入る写真などが大量に添付されていることもあります。
示談交渉がまとまらないと、相手方は訴訟提起を検討することになります。
あなたがどうしても訴えられたくないというのを最優先する場合には、「譲歩してでも相手方に示談してもらわないといけない」ということになってしまいます。
相場を大きく超える金額(場合によっては相手方の言い値に近い金額)を払わなければならなくなるかもしれません。
そうなると、示談の内容としてはかなり不利になってしまいます。
示談内容の妥当性と配偶者にバレるリスク。
この2つを天秤にかけて、示談するか訴訟で争っていくかを決めるしかありません。
相手方としては、訴訟提起するかどうかを決める際には、色々なことを検討します。
訴訟のための弁護士費用はいくらかかるか。
訴訟はどのように進みそうか。
判決になったらどれくらいの慰謝料が見込めるのか。
このようなことを検討して、訴訟提起するかどうかを決めることになります。
そうすると、あなただけではなく相手方のほうも、訴訟となることを本当はためらっているかもしれません。
判決になってもそれほどの金額が見込めない、判決だと接触禁止の約束を取れない、といったようなことを相手方は懸念しているかもしれません。
相手方のキャラクターは様々です。
人によっては、「判決で慰謝料がそれほど認められないとしても、とにかく法廷で事情を問い詰めたい(尋問に呼びたい)」ということもあります。
尋問に呼ばれると、傍聴人のいる(かもしれない)公開の法廷で、証言台に立って質問を受けることになります。
もっとも、このように「何が何でも尋問に呼びたい」という理由で訴訟を提起する相手方というのは、少ないと思われます。
訴訟されたくないというのが前面に出すぎると、一方的に譲歩を強いられかねません。
「これ以上譲歩するなら、訴訟になっても仕方ない」
そういうラインを、どこかで引く必要があります。
相手方がどう考えているのか、訴訟をどこまで強く希望しているのか、本当のところはつかみがたいです。
しかしそれでも、相手方の要求内容や交渉態度等から、ある程度まで推測することは可能です。
あなた自身ではそれが難しいなら、弁護士に依頼するべきです。
示談書には「不倫の件で慰謝料●●円を払う」というようなことが書かれています。
示談書を配偶者に見られると、W不倫がバレてしまいます。
では示談書を作らないほうがよいのかというと、むしろ作るべきです。
(備考3)もちろん、示談書がきちんとした内容であればという前提です。
「示談書に書いてある●●円を払えばそれで終わりだ」ということを、きちんと明確にできるからです。
(参照)不倫慰謝料請求の示談書
示談の際には示談書(合意書)を取り交わすことになります。
当然、その内容が妥当なものになるようにチェックする必要があります。
たとえば、会社の業務で接触せざるをえない状況にあるとします。
それなのに「公私を問わず一切接触しない。接触したら違約金300万円」という内容が示談書にあると、困ってしまいます。
できないことを約束してはいけないというのは、当然のことです。
しかし、不倫慰謝料を請求されてしまうと、「不倫がバレるのではないか、早く解決したい」と焦ってしまい、無理な約束をしてしまうことがあります。
しかし、守れない約束をしても、後でまた揉めるだけです。
守れる約束しか、してはいけません。
示談書を相手方が作成してくることもあります。
しかし、相手方のキャラクターによっては、そもそも示談書取り交わし自体ができない場合もあります。
かといって示談書なしに合意するのはリスクが高いのでお勧めはできません。
場合によっては、示談を諦め、法的手続きも視野に入れたほうが良いこともあります。
W不倫で慰謝料請求を受けた場合、相手方などが送ってきた書面を見られて、配偶者にバレてしまうことがあります。
不倫慰謝料を払えという通知書(内容証明)や、その後の交渉のための書面、示談書などです。
不倫慰謝料問題を弁護士に依頼すれば、相手方からの連絡は弁護士に来ることになります。
その結果、配偶者に見られてバレるリスクを減らすことは可能です。
もし示談交渉がまとまらないと、相手方が訴訟を提起してくる可能性があります。
この場合、裁判所からの訴状は、弁護士を付けていても、原則として自宅に届いてしまいます。
訴状を自宅に届けられたくないのであれば、相手方が訴訟提起にメリットを感じないようにする、というのは一つの方法です。
そのためには内容面で譲歩することが考えられます。
しかし逆に言えば、相手方の要求内容から引き下げにくくなってしまいます。
「訴状を自宅に届けられたくない」という態度があからさまに伝わると、相手方の思う壺です。
W不倫がバレるのは避けたいという思いが先に立ちすぎると、どうしても不利な結果になりがちです。
仮に訴状が自宅に届いたとしても、配偶者に上手く説明して、切り抜けることも可能かもしれません。
「これ以上譲歩するなら、訴訟になっても仕方ない」というラインをどこかで線引きするしかありません。
状況によっては、相手方のほうも訴訟をためらっているかもしれません。
経験豊富な弁護士に依頼したうえで、戦略的に示談交渉を進めていくことをおすすめします。
このコラムの監修者
秋葉原よすが法律事務所
橋本 俊之弁護士東京弁護士会
法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。
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