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慰謝料コラム

不倫慰謝料を請求する/されたとき、やってはいけないことを解説します

【慰謝料請求する側】

配偶者の浮気・不貞行為が発覚したとき、こみ上げる怒りや深い悲しみで、冷静でいることは難しいでしょう。

「許せない、絶対に償わせてやる」という気持ちになるのはわかりますが、やってはいけないことがあります。

感情的な勢いで行動してしまうと、取れるはずの慰謝料が取れなくなったり、逆に訴えられたりする最悪の事態を招きかねません。

 

【慰謝料請求された/されるかもしれない側】

不倫慰謝料を突然請求されたとき、あるいは交際相手から「不倫が配偶者に発覚した」と聞かされたとき、「何とか穏便に解決したい」という思いが先に立つことが多いでしょう。

「家族・会社には何とか秘密で・・・」といった焦燥感・不安感に駆られ、請求内容をそのまま受諾してしまうことも多いです。

しかし、請求内容をそのまま受諾したり、逆に対応せず放置したりするのは、やってはいけないことです。

 

この記事を最後まで読めば、不倫慰謝料を請求する側・される側、双方の立場で絶対にやってはいけないこと、注意しないといけないことを理解できます。

そして、感情に流された行動で失敗してしまう事態を避け、ご自身の正当な権利を守るための対処法がわかります。

【不倫慰謝料請求側】やってはいけない4つ

不倫慰謝料を請求する側は、その精神的苦痛から、怒りの感情に任せて取ってしまいがちな行動があります。

しかし、こうした行動は大きなリスクが伴いますので、やってはいけません。

まずは、絶対にやってはいけない4つのNG行動をしっかり押さえておきましょう。

  • NG①:感情的になり相手を脅す・暴力をふるう
  • NG②:不倫相手の職場や家族に暴露する、SNSに上げる
  • NG③:十分な証拠がないまま請求に踏み切る
  • NG④:示談書を作らない

これらの行動がなぜ危険なのか、次の項目で詳しく解説していきます。

NG①:感情的になり不倫相手を脅す・暴力をふるう

不貞行為に対する怒りから、「慰謝料を払わないとどうなるかわかっているのか」「家族・会社にばらすぞ」といった脅迫的な発言をしたりメール・LINEで送ったり、電話で罵倒したり、実際に不倫相手に手を出してしまったりすることがあります。

言動の内容によっては、脅迫、強要、傷害、暴行といった犯罪にあたり刑事罰を受ける可能性もありますし、損害賠償(慰謝料)を請求される可能性もあります。

不倫相手を脅して無理やり書かせた示談書や誓約書が無効となって、その慰謝料の支払を受けられないこともありますし、あなたの言動が不倫相手の反発を招き、不倫についての謝罪の言葉を得るのも難しくなることもあります。

 

不倫・不貞行為(民法上の不法行為)の責任は、慰謝料を支払うことにより、果たしてもらうものです。

慰謝料の額に不倫相手が同意せず、示談が整わない場合には、裁判所に適正な金額を決めてもらえることになります。

脅しや暴力で金額を認めさせるということは、やってはいけません。

NG②:不倫相手の職場や家族に暴露する、SNSで拡散する

「不倫相手に社会的制裁を与えたい」「自分と同じように夫婦関係をメチャクチャにしてやりたい」といった気持ちから、不倫の事実を不倫相手の職場や家族に暴露したり、SNSに書き込んだりすることがあります。

たとえ不倫が事実であっても、不倫相手の社会的評価を低下させたとして名誉毀損が成立する可能性がありますし、刑事罰を受けたり損害賠償(慰謝料)を請求されたりするかもしれません。

職場へ暴露した結果、不倫相手が退職して支払能力がなくなる(慰謝料を回収できなくなる)可能性もあります。

 

不倫慰謝料請求は、当事者間で解決すべき問題です。

当事者間で解決できない場合には、裁判所に解決してもらうことができます。

第三者を巻き込むような行為をするのは、かえって解決を遠のかせてしまうだけだと心得ましょう。

NG③:十分な証拠がないまま不倫慰謝料請求に踏み切る

不倫・不貞行為(性行為)の存在は、不倫相手が認める場合は別として、裁判ではあなたが証明する必要があります。

客観的な証拠が不十分なままで感情的に請求を始めても、不倫相手に「不倫なんて全くしていない」「肉体関係はなかった」と否定されると、あなたがその存在を証明できなければ、慰謝料は認められません。

慰謝料請求に踏み切ると、請求を受けた不倫相手が「これ以上証拠を掴ませるようなことは避けよう」と考えて配偶者との接触を控えたりする結果、そこから証拠を集められなくなる可能性もあります。

 

不倫相手への請求に着手するのは、できるだけの証拠を集めてからにすべきです。

どうしても証拠が薄い場合には、「あえて不倫相手への慰謝料請求には着手せず、配偶者ときちんと話し合うに留める」といった対応のほうが無難なこともあります。

NG④:示談書を作らずに済ませる

不倫相手との話し合いで、慰謝料の金額や支払方法について合意できたと思っても、口約束だけで済ませてしまうのは避けましょう。

不倫慰謝料だけではなく、求償権放棄、接触禁止や違約金について合意することもあるでしょうが、その詳細な条件・内容が不明確になってしまいます。

 

後になって「そんな約束はしていない」と言われたり、期日になっても支払いがなかったり、というトラブルが予想されます。

不倫相手との問題を完全に解決するために、示談書を作っておくべきです。

 

参照:求償権とは

 

【不倫慰謝料請求側】なぜ危険?NGの理由

ここまで解説したNG行動は、なぜ危険なのでしょうか。

一言でいうと「不倫慰謝料請求手続きの妨げ・マイナスにしか働かない」からです。

具体的なリスクを下の表にまとめました。

NG行動 招く可能性のあるリスク 具体的な内容
感情的な脅迫・暴力 刑事罰、損害賠償、交渉決裂 刑事事件になったり損害賠償を請求されたりする可能性。
不倫相手が話し合いに応じなくなる可能性。
職場やSNSでの暴露 同上。
不倫相手の退職→支払能力低下
同上。
不倫相手が退職し、慰謝料の回収が困難になる可能性。
不十分な証拠での請求 慰謝料が認められない可能性
時間と労力の浪費
不倫相手に不貞行為を否定され、それ以上何もできずに終わる可能性。
コスト倒れに終わる可能性。
示談書を作成しない 合意不存在、支払い拒否など 合意未成立を主張されたり支払がなかったりする可能性。

リスク①:刑事事件化・損害賠償を請求される可能性

不倫相手に対する慰謝料請求は正当な権利ですが、そのためなら何をしてもよいということではありません。

刑事事件(暴行、傷害、脅迫、名誉毀損など)として警察沙汰になる可能性もありますし、民事上も不倫相手から逆に損害賠償(慰謝料)を請求される可能性もあります。

慰謝料を請求するつもりが逆に支払う側になる、という最悪の事態は、絶対に避けるべきです。

リスク②:話し合いに応じなくなる、回収困難となる可能性

不倫慰謝料を支払ってもらう方法は、大きく分けると、①任意交渉(裁判外での話し合い)で支払ってもらう、②裁判上の和解・判決に基づいて支払ってもらう、の2つです。

感情的に脅迫・暴力に及んだり不倫を暴露したりすると、不倫相手はあなたとの接触や話し合いを嫌がって協議に一切応じなくなる可能性があり、そうなれば、弁護士を通した任意交渉や裁判を通じた解決が必要となってきます。

職場に不倫を暴露したせいで、不倫相手が職場を退職して支払能力を失ってしまい、慰謝料回収が困難となってしまう可能性もあります。

リスク③:不倫慰謝料が認められない可能性

不倫慰謝料は、任意交渉がまとまらない場合には、裁判で認めてもらうしかありません。

しかし「不貞を否定するなんて許せない、訴えたい」と思っても、不貞行為等の存在を証明できる程度の証拠がなければ、無理矢理訴えても敗訴(請求棄却)となる可能性が高いため、訴えることは事実上困難です。

すなわち、不倫相手に請求して不貞行為を否定されたら、それ以上何もできずに終わってしまうかもしれません。

(請求に未着手なら、不倫相手が警戒しておらず交際を続け、その証拠を入手できるかもしれませんが)

 

参照:配偶者の浮気相手に不倫慰謝料を請求するための条件

 

リスク④:約束が果たされない可能性

合意した内容は、必ず「示談書」や「合意書」といった書面の形で残しましょう。

示談書には、慰謝料の総額、支払期日、分割払いの場合は各回の支払額、接触禁止の範囲、違約金が生じる条件、違約金の額などを、明確に記載することが重要です。

約束した内容をお互いにきちんと確認できなければ、意味がありません。

 

ちなみに弁護士を入れずに当事者間で交わす示談書は、清算条項が記載されていないことがあります。

(「この示談書に定めるほか、何らの債権債務がないことを相互に確認する」といった条項で、お互いに他に請求するものはないという意味)

意図的に記載していないのかもしれませんが、極論すると例えば、不倫相手から「家族に不貞をばらしたことについての慰謝料を払え」などと、逆に請求される可能性も残ることになります。

【請求された側】やってはいけない4つ

不倫慰謝料を請求された立場でのNG行動を見ていきましょう。

突然、慰謝料の通知を受けたり不貞発覚を知らされたりして、動揺してしまうのは無理もありませんが、不適切な対応は事態をさらに悪化させます。

避けるべき4つの行動を理解し、慎重に対応することが重要です。

  • NG①:慰謝料請求を無視する
  • NG②:要求を丸呑みする
  • NG③:その場しのぎの約束をする
  • NG④:示談書を作らず済ませる

 

これらの行動がなぜ危険なのか、一つずつ確認していきましょう。

NG①:不倫慰謝料請求を無視する

不倫慰謝料の請求書(通知書)や内容証明郵便が届いても、「怖いから」「どうせ払えないから」「交際相手が『自分が何とかする』と言っているから」などと言って、請求を無視したり他人任せにしたりする人がいますが、それは絶対にしてはいけません。

相手方は「話し合いでの解決は不可能」と判断して、弁護士に依頼して訴えてくるとか、相手方自身があなたの自宅などに直接訪問してきて抗議してくるとか、大ごとになる可能性が高まってしまいます。

もし裁判になって裁判所からの通知(訴状)も無視し続けると、相手方の主張が全面的に認められた判決が出てしまう可能性もありますし、最終的にはあなたの給与や預貯金が差し押さえられることに繋がってきます。

 

無視することにより、相手方からは「不倫の責任逃れをして完全にしらばっくれている」「誠実に話し合うつもりがない」などと思われてしまいますし、あなたとしても話し合いの段階で早期に穏便に解決できる可能性を失ってしまいます。

相手方の請求内容をそのまま受け入れる必要はありませんが、あなた自身が不倫慰謝料問題の当事者ですので、自らの責任で主体的に対応する必要があります。

不倫自体は事実でも、「言うべきことは言う、しかし認めるべきことは認める」というように誠実に対応するほうが、結果的には良い方向となってきます。

 

参照:不倫慰謝料請求を取り下げてほしい…

NG②:要求を丸呑みする

「このままだと大変なことになる」という恐怖心や罪悪感から、相手方(=交際相手の配偶者)から言われるがままに高額な慰謝料の支払いを約束してしまうことがあります。

しかし、その金額は、相場を超えており高すぎることが多いです。

裁判では、相手方が離婚に至ったか、婚姻期間、不貞行為の期間や態様など、様々な事情を考慮した相場(法的にみて妥当な金額)が存在しますが、それを超えた金額を請求されていることが多いのです。

 

その場で回答を迫られても、決して応じないことが重要です。

応じた(サインした)後で争うのは、どうしても不利になってくるからです。

相手方の提案を一度持ち帰って、直ぐに弁護士に相談しましょう。

 

参照:不倫・不貞行為の慰謝料の相場はいくら?弁護士が詳細を解説します

 

NG③:その場しのぎの約束をする

相手方から「不倫について話がしたい」などと呼び出され、「本当に反省しているのか」などと問い詰められると、その場を早く収めたい一心で、重い内容の約束をしてしまったり、約束したと受止められるような言動をしてしまったりすることがあります。

本当に約束してよいと思う内容なら別ですが、そうでない事柄については、安易な返事や受諾したと誤解される態度をしてはいけません(例:「すぐ会社を辞めて二度と会いません」)。

後から「約束していない」と言っても、相手方から「今更何だ、反省していない証拠だ」などと反論されて、引っ込みがつかなくなったり書面で約束させられたりします。

 

安易に言質を与えたり誤解されたりする言動は、慎重に避けましょう。

そう言うのは簡単ですが実際は難しいことなので、弁護士に依頼して対応すべきです。

NG④:示談書を作らず済ませる

不倫慰謝料の額などで合意する場合、必ず示談書を作成しましょう。

示談書には、支払う金額を明確にすると同時に、「これをもってすべて解決とし、今後一切の請求を行わない」という清算条項を盛り込むことが極めて重要です。

この条項がなければ、慰謝料を支払ったにもかかわらず追加で請求される可能性が残ってしまうなど、不安定かつ危険な状態のままになってしまいます。

 

実際には、示談書の内容は、相手方が一方的に作成してくることが多いです。

相手方に有利な内容ばかり含まれていると、あなたの身を守れません。

①示談書の内容が適正になるようにきちんと交渉すること、②後で揉めないよう、双方の約束した内容を過不足なく記載すること、が必要です。

 

参照:不倫慰謝料の示談書

 

【請求された側】なぜ危険?NGの理由

 

ここまで解説したNG行動は、なぜ危険なのでしょうか。

一言でいうと「不利な内容・重すぎる負担が生じる」「最終解決にならない」からです。

具体的なリスクを下の表で確認しましょう。

NG行動 招く可能性のあるリスク 具体的な内容
請求を無視する 訴訟等への発展
早期解決不能
訴えられたり事実上の報復を受けたりする可能性。
早期解決できず不利な結果が確定する可能性。
要求の丸呑み 重い負担の発生
紛争再発可能性
相場を大きく超える慰謝料など、重い負担が生じる可能性。
守れない約束の違反を理由に紛争再発となる可能性。
その場しのぎの約束 同上
交渉の足かせ
同上。
相手方に過度・余計な期待を持たせ、減額交渉の妨げになる可能性。
示談書を作らない 紛争再発可能性
追加請求
最終解決できない可能性。
追加で要求を受ける可能性。

リスク①:訴えられたり事実上の報復を受けたりする可能性

不倫慰謝料請求を無視すると、相手方は「話し合いに応じる意思がない・話し合っても無駄」と受け止めて、訴えることで強制的に不倫慰謝料を回収する選択肢をとる可能性があります。

それとは全く別の方向性として、相手方があなたの自宅や職場に駆け込んできて抗議してくるなど、事実上の報復行為に出てくる可能性もあります(訴えるには弁護士に依頼する手間やコストが掛かる)。

どちらにせよ、「早期に穏便に解決する」という可能性が、閉ざされてしまいます。

リスク②:相場より高額、重い負担の可能性

不倫の慰謝料には、過去の裁判例などから形成された一定の相場があり、大まかにいえば「相手方が離婚した場合:200~300万円程度、離婚しない場合:100万円以下」ですが、不貞行為の回数、不貞期間などの不倫の内容にも左右されます。

しかし、慰謝料を請求する側は感情的になっているため、相場を大きく超える金額を提示してくることが少なくありません。

言い換えると、「請求された金額を払うお金がない」と考える必要はありません。

なお、たとえ相場を超える高額であっても、あなたが自由意思で同意した場合、支払う義務が生じます。

 

参照:不倫慰謝料を請求されたけど払えない、どうしたらいい?

 

リスク③:義務発生、交渉妨害となる可能性

相手方を怒らせまいと迎合するような発言をすると、たとえその場を収めるため言っただけだったとしても、その内容が書面に残されたり録音されていたりする可能性は高いですし、法的拘束力が生じることもあります。

法的拘束力までは発生しないとしても、相手方から「自分で言ったことも守れないのか。信用できない」などと言われてしまい、慰謝料減額交渉の妨げになることも予想されます。

(例えば「上司との不倫が露見した。相手方からの求めもないのに自分から『1ヶ月以内に会社を辞めます』と言った。しかし、期限を過ぎても辞めていない」といった場合を想像してみてください)

リスク④:事件解決に至らない、追加で請求される可能性

示談書を作らない場合(清算条項が設けられていない場合も同様)、お互いに他に請求するものはないという意味の条項が存在しないので、後で追加請求を受けたり、最終的な解決とならなかったりする可能性があります。

また、約束内容が不明確のため、約束違反の有無を巡るトラブルに陥る可能性もあります。

(例えば「口頭で交際相手への接触禁止を要求された。交際相手は同じ職場である。会社を辞めないことが接触禁止違反に該当すると言われた」といった場合を想像してみてください)

【失敗例】やってはいけなかった、その結果

 不倫慰謝料請求の手続きでは、慰謝料を請求する側には強い怒りが、請求された側には強い不安・動揺があります。

そうした感情に流されて、不合理な判断や不適切な言動をしてしまうことがしばしばあります。

ここでは、よくある失敗例をいくつかご紹介します。

 

立場 失敗した行動 その後に起きた事態
請求側 不倫相手の自宅に押しかけ、大声で抗議・罵倒した。 不倫相手に警察を呼ばれた。
不倫相手が弁護士を立て、当事者同士での交渉ができなくなった。
請求側 物的証拠不十分かつ配偶者に確認しないまま、不倫相手に請求を開始した。 不倫相手と配偶者から肉体関係を否定され、証拠がないため請求を断念せざるを得なくなった。
請求側 高圧的な言葉や家族にばらすと告げたりし、多額の慰謝料を約束させた。 不倫相手に弁護士がつき、支払拒否を申し入れてきた。
された側 不倫のことで呼び出され、その場で800万円を支払うという誓約書にサインしてしまった。 後で相場を大きく超える額だと気づいたが、自分では対処できず、弁護士に依頼して減額を試みるしかなくなった。
された側 示談書を作らず慰謝料を支払った。 追加で慰謝料を請求された。
交際内容を延々追及され、説明しても信じてもらえず、払ったのに問題が解決しなかった。
された側 交際相手が「自分が何とかする」と言うので信じて任せていたら、突然裁判所から訴状が届いた。 弁護士に依頼せざるを得なくなり、裁判に対応する労力も必要になった。

このように、自分一人で対応しようとすると、思わぬ落とし穴にはまってしまう危険があります。

一旦は「うまくいった」と思っても、その後に争いが続くこともあります。

不倫慰謝料問題を弁護士に依頼して進めることが、失敗を避けるための最も確実な方法です。

弁護士に依頼するメリットと費用

不倫慰謝料請求の問題を自分自身で進めようとすると、どうしても感情に流されてしまいます。

請求する側であれば、怒りをぐっとこらえて理性的に対応できるかもしれませんが、された側としては、特に難しいです。

やってはいけないことを避け、あなたにとって最善の解決を目指すためには、専門家である弁護士への依頼が有効かつ適切です。

弁護士に依頼することで、下記のようなメリットが期待できます。

 

●不倫慰謝料を請求する人

メリット 具体的な内容
精神的負担の軽減 不倫相手との交渉や連絡をすべて弁護士が代行します。
不倫相手との接触によるストレスから解放されます。
交渉を有利に進める 弁護士が代理人となることで、不倫相手もきちんと対応せざるを得なくなります。
法的な知識を背景に、交渉を有利に進めることが可能です。
訴訟提起が可能 不倫相手との交渉がまとまらない場合、スムーズに訴訟を提起して請求することが可能となります。
そのことは、不倫相手に対する圧力となります。
合意内容の確認 弁護士が合意書の内容を作成・チェックします。
不備のない合意書の締結が可能となります。
法的手続きの代行 訴訟の手続きも、ほぼ全て弁護士に任せることができます。
尋問以外は裁判所へ出廷する必要もありません。

 

参照:(請求する側)弁護士に依頼するメリット

 

●不倫慰謝料を請求された人/されるかもしれない人

メリット 具体的な内容
精神的負担の軽減 相手方からの連絡や追及に対応する必要がなくなり、連絡を受けたことで家族に不倫が発覚してしまう可能性が低下します。
冷静さを取り戻し、落ち着いて今後の対応を考える余裕が生まれます。
不当な請求への対抗 弁護士を介することで、不当な請求を拒否しやすくなります。
場合によっては、示談交渉を拒否して訴訟で争うことも可能になります。
慰謝料の減額交渉 あなたに有利な事情を的確に主張し、慰謝料の減額を目指した交渉を行います。
交渉不調だが相手方が訴えてこず、事実上事件が終わることもあります。
弁護士同士での解決 相手方にも弁護士がついて、裁判所の相場を踏まえた合理的な内容で解決できる可能性が出てきます。
将来のトラブル防止 弁護士が合意書の内容を作成・チェックしますので、不備のない合意書の締結が可能となります。
合意書なしに支払って再度請求された、といった事態を防ぎます。

 

参照:(請求された側)弁護士に依頼するメリット

 

弁護士に依頼する際の費用(着手金)、事件解決時の費用(報酬金)、雑費などがかかりますが、あなたの権利を実現するための必要経費ともいうべきものです。

特に慰謝料を請求する側にとっては、「弁護士の費用を考えるとマイナスにならないか」という点は気になるでしょうが、特に慰謝料を請求された(されるかもしれない)人にとっては、精神的負担軽減や裁判の利用など、プライスレスな価値があります。

初回相談を無料で行っている事務所も多いため、まずは一度、弁護士の法律相談を受けてみて、費用の見積りも聞いてみましょう。

まとめ:正当な権利を冷静に主張

不貞行為による慰謝料問題は、請求する側・請求される側双方とも、非常に大きな精神的負担を伴うものです。

自分で対応しようとしても、請求側は怒りの感情、される側は「何とか秘密裏に解決したい」という思いなどに流されがちです。

この記事で解説した「やってはいけないこと」は、主に感情的な行動によって引き起こされてしまう典型的なものです。

 

怒りや恐怖に任せた行動をとると、あなたの正当な権利を損なってしまったり、問題をさらに深刻化させてしまったり、紛争が続いたりしてしまいます。

少しでも自分一人での対応に不安を感じるなら、ためらわずに弁護士の力を借りてください。

弁護士は、あなたの代理人として冷静に交渉を進め、法的な観点から最善の解決策を導き出してくれます。

 

更新日:2025.11.19

 

このコラムの監修者

  • 橋本 俊之
  • 秋葉原よすが法律事務所

    橋本 俊之弁護士東京弁護士会

    法学部卒業後は一般企業で経理や人事の仕事をしていたが、顔の見えるお客様相手の仕事をしたい,独立して自分で経営をしたいという思いから弁護士の道を目指すことになった。不倫慰謝料問題と借金問題に特に注力しており,いずれも多数の解決実績がある。誰にでも分かるように状況をシンプルに整理してなるべく簡単な言葉で説明することを心がけている。

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